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「サニーサイドインターナショナルスクール」の
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ちっとも平和でない世界


春を思わせる風を感じるお天気の良い週末ですが、一人で家に居てもどうも気分が晴れません。
ウクライナで起きている事を考えれば考えるほど、色々な思いが込み上げてきます。信じられない気持ち、こういう愚かなことを始めるプーチンとその取り巻きに対する憤り、ウクライナ人の小さな子どもが「私は死にたくない」と泣いている映像をみるのに耐えられずチャンネルを変えるといつも通りのバラエティ番組が放送されている、中には「こういう動乱の時こそ株で儲ける大チャンス」と言っている人もいる、世の中の理不尽さを突きつけられているようで胸が痛みます。

自然災害で命の危機に瀕することも残酷ですがある種それ以上に、戦争で何の罪もない人たちが犠牲になるのはひどい話です。ましてや、幼い子どもたちが今まさに外から聞こえてくる爆弾の音に怯えながら泣いているかと思うとどうしてこういう事が起きるのか、どうして国際社会は傍観することしか出来ないのか、無力さを感じると同時に、結局、世の中ちっとも平和なわけではないんだと、とにかく複雑な思いでいっぱいです。

うちの小学部中学部では早速に子どもたちと話をする機会をもったと聞きました。Mクラスの堀先生は、「これはいつ誰にでも、ひょっとしたら君たちの身にも同じことが起きるかも知れない、だからそういう時に自分はどう考えて、どういう行動を取ればいいと思うか、それを考えられる人になる為に学校で学んでいるんだぞ」とかなり凄んだ感じで生徒に話をしたそうです。
その晩、家に帰ってから生徒同士のSNSのやり取りの中で、「アメリカは何をやっているんだ」「ウクライナの国土はもともとウクライナ人のものなのにそれを奪うなんて許せない」色々な意見交換があったと聞きました。

皆さんも良くご存知の通り、IB教育はそのミッション(使命)を”Education for a better world”、教育を通してより良い世界、より平和な世界をつくる、としています。
うちも元は、田舎にあるただの小さな幼稚園でしたが、私はその理念に賛同し、IBワールドスクールのコミュニティーに入ることを決めました。

一方で、日本においては平和な時代が長く続き、ある意味、続きすぎてしまった中で、日本の学校教育の方向性は、社会貢献意識や、人間性よりも、学力という点数の世界の成功を追い求めるものに変わってしまったと私は感じています。
しかし、今回、こういう局面に接して、誰もが「平和」というものについて、それがどれほど大切なものかを再認識していると思います。

戦争なんて起こるわけがないと、どこかで思っていても、日本で言えば、中国や北朝鮮が攻めてくるわけがないと思っていても、今回のプーチンのように「自国を守る為に仕方がなかったのだ」と、適当な言い訳をして、情報操作をし、サイバー攻撃をしかけ、実際に「侵攻」というのは起きる、まだそういう未熟な世界であるということが良くわかったと思います。

そこで私たち教育者、保護者、大人が出来ることはなにか。子どもたちに「正しい教育」を与え、どれだけ考え方や価値観が違っていても、武力を使って相手をねじ伏せることはこの先決してやってはいけないということ、そして、いざという時に、自分の頭で考えて正しい行動が取れる、その為の学校教育、家庭教育をしていくことしか恐らくないのだと思います。

今、ウクライナは国民総動員令なるものが発令され、18歳から60歳までの男性は武器を持ってロシア人と戦うことを強いられているそうです。自分は残って家族を逃す為に駅のホームで泣きながら抱き合っている映像をみました。NATOにもEUにも加盟していないがゆえに、誰も彼らを助けにいこうとはしませんし、その上、武力の規模で言えば大人と子供のけんかのようなレベルの差です。
たくさんの犠牲者が出る前に、まずは話し合いで停戦をして、いずれロシア国民が自分達が間違ったリーダーを選んだことを悔いて、ウクライナが返還され、国際社会に戻ってくることを祈るしかありません。プーチンの思惑は、現ウクライナ大統領を斬首し、親ロシア派の政権を無理やり作ることらしいので、まだまだひどい惨状を私たちも目にすることになるのかも知れません。
本当に色々と考えさせられるこの数日間です。

最後に、明るいニュースをひとつ。お待たせしていました遊具エリアですが、職人さんの手配の関係で、どうしても築山の人工芝と、遊具下部のゴムチップ敷設作業が春休み中になるようですが、一旦、月曜日から遊んでもらえるように開放することになりました。月曜日の朝、遊具の安全な使い方を子ども達にも説明した上で、遊んでもらえるようにします。
特に卒園の近いホワイトさんにはたくさん遊んでほしいです。長い間お待たせして大変申し訳ありませんでした。

2022/02/26

嬉しい生徒たちの活躍

三連休、いかがお過ごしでしょうか?実は昨日まで三連休だと知りませんでした。事務の山内さんから「明日は銀行が休みなので振り込みはできません」と言われてそれまで知りませんでした。
思いがけず出来た休みでしたので、色々とたまっているあれこれを済ませようと思っていましたが、殆どテレビをみていて、気づいたら日が暮れていました。
冬季オリンピックで、今日は朝から男子ハーフパイプの決勝、女子スーパー大回転、カーリングと、最近こんなにテレビを観たことがないほど釘付けになっていました。
平野あゆむ君ですか、すごいですね・・・他の選手もそうですが、失敗して落ち方が悪ければ死ぬのではないかというレベルです。大回転というダウンヒルスキーも生身の人間が時速100キロ以上で滑降し、1秒以内の差で争うなんて想像がつきません。カーリングも見出すと途中でやめられなくなりますね。笑

今、サニーサイドではJames Notthinghamさんの指導のもと、チャレンジングラーニングというプロジェクトに取り組んでいます。学校の学びにおいて、また子どもの生活の中で「失敗を恐れずに挑戦するマインドセットを養う」そういう目的で取り組んでいます。
オリンピック選手はすべからくその「挑戦心」を持っています。挑戦心そのものだとも言えると思います。
個人的には今日のスノーボードも良かったですが、フィギュアスケートの羽生君の演技にとても感動しました。以前は、彼に「ゆづ、ゆづ」と群がる女性を多少冷ややかな目で見ていましたが、演技の芸術性については、あくまで素人ながらの見解ですが、ネイサンチェンよりはるかに優れていたし、果敢に4回転半アクセルに挑戦しようとするその心意気にとても感動しました。一度、王者になれば、普通は余計にその次に挑戦するのは勇気がいることだろうと思います。
王者のまま引退すればその方が気楽です。
スノーボードのショーンホワイト選手も、今日は最後にミスをしてメダルなしで終わりましたが、体力の限界を感じつつ、最後ミスをして競技を去るその姿に、切なさを感じると同時に、真のかっこよさを感じたのは私だけはないと思います。

話は変わって、最近は保護者の皆さんにもコロナの暗い話題しかお話し出来ていませんでしたが、ここで明るい話題をひとつ。
サニーサイドの中にも「挑戦心」を持って、学校の中にとどまらず色々なことに取り組んでいる生徒がいます。
昨年夏には、P5の山田はると君が小学生SDGsサミットでプレゼンテーションをし、全国優勝しました。(彼の偉いところはつい先日も私の部屋を訪ねてきて、自分がそれから続けている5Rulesのポスターを作ったのでいくつか貼ってもいいですかと、ちゃんとそれを今でも続けていることです)
先週末にはP3(三年生)の北岡りゅうのすけ君が琵琶湖に生息する外来魚が生態系に悪影響を及ぼしていることについてそれをどうするかという研究発表会に提案者として参加し(周りは大人の研究者ばかりです)、外来魚をただ殺してしまうのではなく、栄養分を抽出してサプリを作ったらどうかという提案発表をしました。
それだけでもすごいですが、彼は2日間他の研究者の発表もすべて聴講して「自分の考えがまだ詰めが甘いところがあった」という振り返りをしていたそうですし、私にも「これからも意見交流が出来る仲間が出来て良かったです」とメッセージをくれました。
同じくP3の岡田あおいちゃんは、読売新聞のエッセイコンクールで、おばあちゃんのことを書いて全国紙に掲載されたそうです。
https://jigyou.yomiuri.co.jp/photo-essay/2022/sho03.html
あおいちゃんは、学習者像にある「振り返りのできる人」というのを身につけていて、このエッセイの中にもおばあちゃんの死を通して自分がどういう考えをもったのかがしっかりと書かれています。
誤解のないように申し上げると、私は、賞を取ったから嬉しいのではありません。他にも生徒の中には色々なことに挑戦している子がたくさんいます。本当にポジティブな生徒が多いのが私の自慢です。
挑戦心、自己効力感、そういったものを育んでいける学校でありたいなといつも思っています。

2022/02/11

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