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「サニーサイドインターナショナルスクール」の
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校長研修会

6月最後の日、今日は、岐阜市教育長をされている早川先生のお取り計らいで、岐阜市内の小中学校をお世話されている校長先生方の前で話をさせていただく機会をいただきました。
僕も、岐阜市の小学校、中学校を卒業した身です。校長先生と言えば、「学校では一番偉い先生」、畏れ多い方々ですが、そういう先生方が70名以上お集まりになる前で、話をするというのはさすがに緊張しました。
昨夜は、夜中の3時までデニーズで原稿やスライドの用意をしていました。一時間半という時間、バカロレアのフレームワークについてや、世界の教育トレンドについてお話をさせていただきましたが、皆さん真剣に聞いていただきました。
たかだか、岐阜市の外れで幼稚園の園長をしている僕なんかの話を、こんなに大勢の校長先生方が聞いてくださるなんて・・・普通ではあり得ない話です。とてもスペシャルな機会だったと思います。
確かに、公立の教育制度は数々の大きな問題を抱えていて、何より、文部科学省という大きな傘の下に属する地方の学校、教育委員会は変えたい、変わりたいと思っても我々私学のように一筋縄ではいかないことばかりだと思います。
それでも、現場の先生方は、日々朝早くから夜遅くまで教師という大変な仕事に向かい、子ども達の為にどうすればいいのかに頭を悩ませながら一生懸命頑張っていらっしゃる、それは紛れもない現実です。

私学の経営をするにあたっては、いろいろなスタイルを考えることが出来ます。特にバカロレアのような、ある意味特殊な教育内容を取り入れたり、学校名に「インターナショナル」という文言を入れたりする場合は、「地域に開かれた」というより、「クローズドな」スタイルの学校経営を考える人が多いです。

例えば、情報を意図的に外に出さないようにしたり、授業料を高額にすることによって特定の人しか通うことが出来ないようにするなど(つまりはそれを”ブランド”というのかも知れませんが)、あえてそういうスタイルをとる学校経営の「戦略」です。

現に、IBスクールと言えば、年間の授業料は軒並み年間100万〜200万が相場です。東京のIBスクールの経営者がうちの授業料体系を知ると誰もが「そんなに安いの!」と驚きます。恐らくうちは日本初のPYP認定校であると共に、今では日本で一番お得なIBスクールに間違いありません。
それでも確かに岐阜市内のよその園よりは高い授業料をお願いしているので、その意味で誰でも入ることが出来る料金体系ではないかも知れないけれど、この先も、出来る限りその金銭面のハードルは抑えていきたいというのが僕の経営方針のひとつです。
善人ぶっているわけではないですし、良い教育にはお金がかかるのも事実です。先生達の給料も上げてあげたいと思っています。授業料をさらに上げる決断を将来するかも知れないし、入園者数を制限しなくてはいけない状況があるかも知れません。
でもとにかく、そういうお高くとまった感じの学校にはしたくないと、あくまで「フレンドリーな、良い人たちの集まる普通のコミュニティー」でありたいと思っていますし、教育の実践についていえば、やはり地域の学校、教育委員会と出来る限り一体感をもってこの地域の教育に貢献したいという思いでいます。

バカロレアという、新しい教育アプローチ、生徒主体の学び、それらに挑戦していくのであれば、いわば、うちはその切り込み隊長の役回りでいいと思っています。うちが切り込んで、後から来る人が「安全だ」と感じる道を拓く、その後は、更に多くの、有能でハードワーキングな先生方にバックアップいただき、更に歩みを進める、そういう改革の大きな流れを作りたいというのが僕の本音なんです。
世間からは私学はお金儲けだと言われることもあります。この間、恵比寿に出来たインターは月謝が25万だと聞きましたが、そんなお金を払わないとまともな子どもが育たないというのか、いったい、どういう教育者的モラルでそういう「ゲスな」金額提示が出来るのか、腹立たしくさえ感じます。

今日は、またとない機会でしたので、校長先生達になぜ自分が小学校を始めたのかをお話ししました。そして、自分の意図として、このサニーサイドの生徒主体のモデルが、何か岐阜の多くの子ども達の教育を考えるきっかけになれれば、そういう思いでやっているので、どうか力をかしていただきたいとお願いしました。
生方は本当に真剣なまなざしで僕を見て、中にはうんうんとうなづいて下さる先生もいらっしゃいました。

そして先ほど、今日講演会に参加してくださったある校長先生からメールをいただきました。「渡辺先生のチャレンジ精神に圧倒されました。岐阜に新しい教育が生まれつつある空気を感じ、自分にもエネルギーが湧いてきました。」多くのもったいないお言葉をいただきました。
岐阜はやりますよ、これから。僕はそう思っています。岐阜の先生達が力を合わせれば、よそがあっと驚く教育モデルがきっと出来上がると思います。そういうインスピレーションを感じた今日一日でした。

2016/06/30

体験入園ありがとうございました

昨日の体験入園及び、入園説明会には、大変多くの皆様にお運びいただき本当にありがとうございました。
本当に物事というのは、期待しているとその通りにならず、逆に「期待してもしょうがないだろう」と思っていると、予想をこえて結果が出たりするものなのでしょうか。
まさに、昨日の体験入園はそんな一日でした。4年前、バカロレアに取り組みたいという話を保護者の皆さんにしてから、自分も、職員も、それまで以上の努力をしたつもりでいましたが、毎年、園児が減っていくばかりでした。
自分たちは正しい事をしているつもりなのに、人が離れていく世界・・・いくら強気の自分でも、徐々に不安がつのり、孤独を感じるばかりでした。
今年に入り、やっとのことで、認定校になることは出来ましたが、それでもそれで何か急に景色が変わるわけでもなく、今年の体験入園イベントも、ここ数年のネガティブな印象ばかりで、どうも自信が持てず・・・。

しかし、受付が始まると当初目論んでいた50名を超えて申し込みが入り始めました。そしてイベント前日までには、なんと80名近くの方にお申し込みをいただきました。
職員も僕も急に焦り始めました。事態がいきなりこういう事になると、何ということもなく「これは失敗は許されない!」という感じになります。「園長先生、説明会ちゃんとやってくださいよ、玄関先まで来てくれているんだからこれできびすを返されたら元も子もないんですから」とはっぱをかけられて、それもそうだと、これは大変だと思いました。
限られたおよそ30分の間に何を話すのか・・・悩んだ末に、バカロレアについては入園案内を読んでいただくことにして、「20年後の世界を生きる子どもたちの為の教育に必要なことは」というテーマを主にしました。
 また、自分が最近つくづく感じている「保護者と共に学校教育を作り上げる」ということについて話をさせてもらいました。

僕の話はさておき、今年の目玉はなんといっても、「在園児の保護者と懇談が出来る」というものでした。本来、園児募集などは完全に幼稚園マターであり、保護者の人をそれに巻き込むようなことは、憚られるところですが、本当に幸せなことに、わが園にはそういう役目を「買ってでも出てくださる」慈悲深い保護者の方がおおくいらして、今回は8名の保護者の方が来てくださいました。
説明会の最後で、僕は「というわけで、今日は在園児の保護者の皆さんにお越しいただいているので、ぜひ話をしていってください、僕の話はセールストークで信じられなくても、保護者の方の話なら安心してもらえるはずです!」とお願いをしました。
みなさん素通りして帰られたらどうしようとも心配していましたが、給食室の河井さんが用意してくれた手作りマフィンとおにぎりがあったことも手伝ってか、随分会話が弾んでいるようでした。
 僕のところにも何人もの保護者の方が話をしに来てくださいました。
そのにぎやかな光景は、僕にとってにわかに信じがたいものでした。思わずぼんやりしてしまいました。

色々な幼稚園があると思いますが、これほどまでに、保護者の方が僕たち職員と一緒になって、一人でもこの教育の良さを知っていただこうという思いの中で、支えてくださる園は他にはないと思います。
この4年間、確かに園児数という形では実績は残せませんでしたが、目には見えないところで、通ってくださっていた保護者の皆さんとは絆を育むことが出来ていたのだと、保護者の皆さんはうちの職員が日々努力していたことをちゃんと見ていて下さったのだと感じ、胸が熱くなる思いでした。

「保護者の皆さんと一緒に学校を作りたい」「保護者の皆さんには教育を変える力がある」そう僕が話したのは単なるリップサービスではありません。本当にそう思っています。そしてそういう見方が、うちの職員にも浸透した時、サニーサイドはまた大きな可能性を秘めた学校になれるのだと思います。

来年度の願書受付日は7月1日になります。予定している(希望しているといった方がいいかも知れませんが)募集人数は60名です。最終的にどういう結果が出るのかはしばらく持ち越しですが、自分としてはもう十分満足です。一生懸命我が事のように心配してくださるうちの保護者の方の姿を見ることができて、新しい教育の息吹を感じる雰囲気を感じることが出来て、つきなみですが、「諦めずにやってきてよかった」と思います。

そして、今回は今年4月から始まった小学部の子どもたちのサプライズもありました。以前彼らに僕が「I’m so proud of you!」と言った時、その時は意味がわからなくて、でも、担任のミントがそれを説明したそうです。それ以来、僕が何かお願いをするといつでも「いいよ!」といって取り組んでくれます。
4月からの最初のユニット活動で、子ども達は”Taking responsibility in our learning helps us to make progress”「自分の学びに責任を持つことで、自分は成長することが出来る」というセントラルアイデアを掲げ、それぞれに上達したいこと、知りたいことを選んでそのためには何をすれば良いのかを探求してきました。体験入園にあたり、そのまとめとして、彼らが感じたことを少し話してくれる子はいないかとお願いしたのですが、すると6名の子ども達が「いいよ、やるよ!」と挑戦してくれました。
100名を超える聴衆の前で話をするわけです。まだ通級し始めて40日にも満たない子ども達が、しかも英語も使いたいと言ってやってくれました。幼稚園で培われた素地があったからでしょうが、大変な上達ぶりに僕も本当に驚きましたが、それ以上に来たお客さん達は驚かれたようで、振り返れば僕の説明会なんてどうでも良い感じになったほどでした。
彼らはまだ小さいですが、それでも僕がある程度、無理を承知で小学部を作ったことを感じているのだと思います。自分たちがしっかりやらねば、園長先生が困るのだということすら感じているのかも知れません。
本当に助けられました。
いずれにしても、お天気も良く、まさに僕にとってはパーフェクトな一日でした。ご参加いただいたすべての皆さんに心からお礼申し上げます。
ありがとうございました!

2016/06/05

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