Principal's Welcome小学部 校長あいさつ

サニーサイドインターナショナルスクールとの出会いは、私にとって必然的なものでした。やっと、日本でも真の国際教育の幕開けが来た。私が教師になった時から考えていた、時代と世界に即した日本の教育改革が、ここからできる。そう信じて岐阜にやってきました。

私は主に海外で国際バカロレア初等教育プログラム・PYPを教えてきました。クラスの中で国籍が10以上存在するというような状況を当たり前に経験していくと、子供達にとって言葉の違いや人種の違いなど何の関係もなくなり、素の自分というものに向き合うようになります。もっと言えば、身体的特徴の違いも価値観の違いも、特に言及することなく自然と認め合えるようになります。国際的よりももっと幅広いその感覚の教育、それがPYPです。

私がPYPと出会ったのは、今から14年前に遡ります。それまで日本の教育課程で自らも育ち、そして教えてきた私には、大変に新鮮かつ衝撃的ですらありました。
最初の印象は、とても柔軟なカリキュラムだということでした。何をいつ教えなければいけない、という具体的な制限がない代わりに、子供の興味によっては先に進むことも、またはじっくり取り組むことも可能にするカリキュラムは、まさに一人一人の学びに寄り添うことができます。この柔軟性が、教育において長年私が求めていたものでした。幼稚園生、小学生が持つ柔らかな頭を存分に活かしてあげることができるカリキュラムにやっと出会えたという感覚でした。

その後PYPを教えていくにつれ、少しその初めの感覚が変化していきました。カリキュラムが柔軟だという事には変わりはありませんが、その柔軟性が子供の能力を活かしているのではなく、子供達の持つ柔軟性がカリキュラムを引っ張っているのです。学びの主役はあくまでも子供達であって、カリキュラムは裏方的な存在なのです。主役の子供達は、どう学び、どんなスキルを身につけ、いつ学びを活かすかを常に考えることが求められます。自らの学びをマネージしていかなければ、学びが止まってしまうという、ともすると厳しい環境に置かれているように見えますが、これこそが学びの本質だとも言えましょう。

日本においても生徒主体の学び、アクティブラーニングなどといった言葉も、随分と聞かれるようになりましたが、幼いうちから本質的な学習の鍛錬を重ねることをどれだけできているのか、そこが今後の日本の教育の鍵となると私は考えます。

小学校は、基礎的な学力を培う場所です。そこで本質的な学習の鍛錬を積んでいくことが、将来にわたる思考力や問題解決能力、また協働力を身につける基礎となるのです。そしてこの全人的な教育こそ、国の壁や言葉の壁、価値観の違いを超えた真の国際教育です。
これまで我々日本人は、国際的であることはどこか特別であるような印象を持ってきたような気がします。英語ができなければいけない、海外での経験がなければいけない、そういった表面的な要素に着目し、本質を見つめることをしてこなかったような気がします。突き詰めて考えれば、人としてどうあるべきか、ということが全ての基本です。

人間は、本来学ぶことを愛する生き物です。幼少期の子供はそれを本能で体現しているかのように、喜びをもって学びます。その喜びをどれだけ永く、そして強く持ち続けていられるかが、人生の深みや幅を左右することは言うまでもありません。サニーサイドの卒業生たちが、深みのある人間として世界で活躍すること、それが我々の願いです。

サニーサイドインターナショナルスクール
小学部校長 泉香愛

泉香愛

サニーサイドインターナショナルスクール
小学部校長 泉香愛

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